派遣先企業でよくある相談例
人材派遣業界での実務経験を踏まえ、派遣先企業で起こりやすい場面と、対応を検討する際のポイントをQ&A形式で整理しています。
相談例一覧
Q. 現場ではスキル不足を感じているが、派遣会社から契約更新を提案された
就業中の派遣社員について、受け入れ部署より担当業務に必要なスキルが不足しているため、次回の契約更新は見送る方向で進めたいと話がありました。派遣会社にその旨を伝えたところ、「今後改善される可能性があるため、更新してほしい」と提案を受けました。どのように判断すればよいでしょうか。
A. 契約更新を見送る理由が受け入れ部署の印象や感覚に基づいた判断ではなく、業務の遂行状況、具体的に必要なスキルと使用場面、勤務状況などを客観的に把握したうえでの判断であるかを整理することが大切です。
また、派遣会社から改善の見込みがあると提案を受けた場合は、更新を提案する具体的な根拠があるのかを確認することも大切です。確認のうえで、受け入れ部署の関係者を含めて検討するとよいでしょう。
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Q. 派遣社員の交代を要請したいが、派遣会社にどう伝えるべきか
就業中の派遣社員について、契約期間中ではあるものの、現場から別の派遣社員と交代してほしいと相談が入りました。理由を確認したところ、担当業務に必要なスキルと派遣社員のスキルに差があり、想定していた水準で業務を進めることが難しい状況とのことでした。
派遣先企業として、派遣社員が業務を行うために必要な教育や受け入れ体制を整える必要があると説明をしましたが、人員不足のため、即戦力を期待して派遣社員を受け入れている以上はこれ以上の時間を教育に割くことは難しいと話がありました。契約期間中のため、派遣会社に相談したとしても交代は難しいのではないか、場合によってはトラブルに発展するのではないかと懸念しています。どのように対応すればよいでしょうか。
A. 契約期間中の派遣社員の交代は、派遣会社にとっても慎重に扱われやすい対応です。そのため、交代を求める場合には、理由をできるだけ具体的に整理して派遣会社に伝えることが重要です。現場からのスキルが不足している、という説明だけでは、派遣会社側も状況を判断しづらい場合があります。どの業務に対して、どの程度のスキルが不足しているのか、業務にどのような支障が出ているのかについて、客観的な事実を整理しておく必要があります。
また、教育に追加の時間を割けないという事情については、現場の感情だけを伝えるのではなく、業務上必要な教育範囲や、受け入れ時に想定していた水準との違い、受け入れ後から今日までに実施した教育について説明できるようにしておくとよいでしょう。
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Q. 派遣会社から派遣料金の値上げを提示されたが、妥当性を判断できない
派遣会社から、次回の契約更新にあたり派遣料金を値上げしたいという相談を受けました。理由を確認したところ、社会的な賃上げ傾向への対応、社会保険料率の改定、人材市場の変化などが理由とのことでした。派遣会社の説明は理解できる一方で、依頼している業務内容に変更がない中で、値上げを受け入れるべきか判断に迷っています。どのように対応すべきでしょうか。
A. 契約上の整理としては、派遣料金は派遣会社と派遣先企業との合意により決まります。そのため、派遣会社から値上げの相談があった場合、派遣先企業としては値上げを受け入れるか、金額について協議するか、契約更新を見送るかを判断することになります。
値上げを求める理由や値上げする金額の妥当性を検討するうえで、値上げ分がどのように反映されるかを把握したい場合もありますが、値上げ分がどのように反映されるかについては、派遣会社の機密保持の観点から開示が難しい場合があります。その場合は開示を求める理由を説明したうえで、開示可能な範囲で開示を依頼し、判断材料の一つとするとよいでしょう。
また、業務内容の変更が理由ではなく、今回のような社会的な事情への対応、社会保険料率の改定、人材市場の変化などが理由の場合、今後も同様の理由で値上げ交渉が断続的に入る可能性があります。その都度、値上げを受け入れた場合、徐々に費用対効果が見合わなくなり、いずれかの時点で契約自体を終了せざるを得なくなるリスクがある点についても考慮する必要があります。
もし、派遣社員が現場にとって欠かすことのできない存在となっている場合は、直接雇用への切り替えを検討することも選択肢となり得ます。
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Q. 派遣社員から直接相談を受けたが、派遣先企業としてどこまで対応すべきか
就業中の派遣社員より相談があると申し出があり、業務に関する内容と思い、話を聞いたところ、業務に関する相談に加え、給与面など待遇に関する話もありました。業務に関する相談には対応してよいと思いますが、待遇面についてはどう対応すればよいでしょうか。
A. まず、業務の指揮命令権は派遣先企業側にあるため、業務に関する内容については対応する必要があります。一方で、待遇面については派遣社員の雇用元である派遣会社が対応する内容のため、派遣社員に対して安易に回答や約束はせず、派遣会社に連携することが望ましいです。
ただし、派遣社員に了解を得ずに派遣会社に連携した場合、派遣社員との信頼関係に影響を与える可能性があるため注意が必要です。派遣社員に対して待遇面などの業務以外の内容については雇用元である派遣会社が対応することになる旨を説明し、了承を得たうえで派遣会社へ連携するか、派遣社員本人から派遣会社へ相談するよう促すとよいでしょう。
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Q. 指揮命令者以外から指示が出ており、現場運用を見直したい
派遣社員への業務指示について、指揮命令者より指示を出すように現場へ周知しているが、指揮命令者が不在の場合は別の社員が指示を出す場合や、業務によっては別の社員が指示を出している状況にあることが判明した。運用方法を見直したい。
A. 現場の状況によっては指揮命令者から指示を出すのに時間がかかる場合や、物理的に近くにいる社員が指示を出した方が早い場合もあります。しかし、派遣法上では指揮命令者が派遣社員に指示を出すことが原則のため、改めて現場に対して原則を説明することが必要です。
また、指揮命令者を複数名配置することは派遣法上では可能です。その場合は指揮命令系統が混乱しないよう、誰の指示が優先かを明確にしておくこと、および実際の運用と契約書等の記載にずれが出ないよう、派遣会社とも共有しておくことが求められます。
なお、指揮命令者が体調不良などで欠勤した場合に派遣社員への指示を誰も出せなくなることを避けるため、代理の指揮命令者を配置することが実務上ではあります。派遣法を守りつつも、業務が滞る事態を避けるため、臨機応変な対応を心掛けるとよいでしょう。
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Q. 過去に派遣社員を受け入れた際にトラブルがあり、再び活用すべきか悩んでいる
社員の残業時間が増加傾向にあるため、派遣社員を受け入れることで、残業時間を削減できないか検討しています。一方で、数年前に派遣社員を受け入れた際、業務とのミスマッチが原因でトラブルに発展した経緯があり、一部の社員が派遣社員の受け入れに対して苦手意識を持っています。そのため、派遣社員を活用することが妥当といえるのか判断に悩んでいます。
A. 過去にトラブルがあった場合でも、その原因が今回の受け入れにも当てはまるとは限りません。数年前のトラブルが、どのポジションで、どのような業務で、どのような経緯で発生したのかを振り返り、今回、派遣社員に任せようとしている業務と類似しているかを確認することが大切です。
また、派遣社員を活用するうえでは、受け入れ体制を整えておく必要があります。受け入れ体制を整える際に苦手意識を抱えている社員の意見を聞き、同じことが繰り返されないように対応することは、受け入れ体制を整える意味で重要といえます。業務内容がトラブルの原因であった場合は、派遣活用に向いている業務と向いていない業務があるため、依頼する業務の範囲や条件の見直しを検討することも効果的です。
過去の経験だけで判断するのではなく、業務内容、必要なスキル、受け入れ体制などを関係者と整理したうえで、派遣社員を活用するべきかどうかを判断するとよいでしょう。
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Q. 派遣契約の更新・終了の判断基準をどのように設けるべきか悩んでいる
就業中の派遣社員について、派遣契約を更新するか、契約期間満了で終了するかを判断するための基準を設けるべきか悩んでいます。現状は現場に判断を任せていますが、予算管理や費用対効果の分析を考えると、現場だけで判断するのではなく、人事部門なども交えて検討した方がよいのではないかと考えています。どのように判断基準を整理すればよいでしょうか。
A. 派遣契約の更新・終了を判断する際に、人事部門など現場以外の視点を取り入れることで、客観的な意見を確認することができるというメリットがあります。一方で、実際の就業状況を十分に把握していない中での意見であった場合、派遣料金や予算面だけに焦点が当たり、現場での評価や業務上の必要性を考慮しきれない可能性があります。
そのため、判断基準を設ける場合は現場と人事部門との間で、どのような場合に契約を更新するのか、どのような場合に終了を検討するのかを事前にすり合わせておくことが重要です。業務での必要性、スキルや勤務状況、現場での貢献度、費用対効果、今後の人員計画などを整理したうえで、関係者が納得できる判断基準を設けるとよいでしょう。
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自社の状況に近いものがある場合や、今後に向けて対応を整理しておきたい場合は、お気軽にご相談ください。
