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はじめに

就業中の派遣社員に対する就業状況の確認(以下、フォロー)は、派遣社員の業務パフォーマンスや安定就業に影響を与える行動です。フォローについては、派遣社員の雇用主である派遣会社が行うのが一般的ですが、派遣社員が就業している派遣先企業(以下、派遣先)が派遣社員に対してできるフォローはあるのでしょうか。

本記事では、就業中の派遣社員に対して派遣先ができるフォロー対応について解説します。

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就業中の派遣社員に対するフォローは、派遣会社の基本行動として定期的に行われています。「就業は順調ですか」「困っていることはありませんか」「無理なく就業できていますか」と派遣会社の営業担当者(会社の体制によっては、フォロー専門のフォロー担当者を配置している場合もあります)が派遣社員と対面や電話、メールなどでヒアリングを行い、ヒアリングした内容をもとに就業状況の把握や今後の対応について考えることになります。

一方で、派遣会社が定期的なフォローを行っていない場合は、就業状況の把握が派遣社員からの自己申告や派遣先からの連携のみとなるため、客観的な状況を把握できているかどうかのリスクが生まれることになります。派遣会社が客観的な状況を把握できていない場合、順調と認識していた派遣社員から緊急を要するトラブルの相談が入る、次回の契約更新を希望しないという意向が伝えられるなど、対応が後手に回る事態が起こり得ます。

派遣会社が客観的な状況を把握できていないことにより、問題への対応が後手に回った場合、派遣先としても普段以上に対応に時間を要する、トラブルが大きくなった状態で対応を迫られる、後任者の手配を至急行わなければならない、などの影響が及ぶ可能性があります。

フォローは派遣社員との関係構築にも役立つ

派遣社員は派遣会社に雇用されている労働者ですが、派遣会社に雇用されてからどれくらいの期間が経過しているかは、人によって異なります。無期雇用の場合は長期間にわたって雇用されている場合が多いですが、登録型派遣の場合は、派遣先での就業開始とあわせて派遣会社との雇用関係が始まる場合もあり、その場合は派遣会社も派遣社員もお互いに手探りで関係構築を進めていくことになります。

関係構築ができていない状況下では、雇用主に対してネガティブな内容を伝えることは気が引ける、という方も少なくありません。特に契約期間が決められている派遣社員にとっては、自身の報告が自身の評価にどの程度影響するのかがわからないため、慎重にならざるを得ないのが実情です。そのため、就業開始当初はフォローの頻度を増やし、就業状況の早期安定化と派遣社員との関係性を深めるために、多くの派遣会社が動いている場合が多いです。

派遣先が派遣社員にできるフォローとは

派遣先は派遣社員の雇用主ではありません。そのため、プライベートや個人情報が含まれる話は避けた方が無難です。フォローする場合は、業務状況や職場環境に関する内容に留めるようにしましょう。

具体的には、つぎのような内容です。

  • 業務の進め方で確認したいことはありませんか
  • 業務量や優先順位で困っていることはありませんか
  • 職場環境で気になることはありませんか

フォローする頻度としては、毎日「何か困っていることはありませんか」と話しかけると、「疑われている」と派遣社員が感じてしまい、逆効果になる可能性があるため、就業開始から一週間後や二週間後、一ヶ月後といった節目のタイミングで自然な形で行うのがよいでしょう。時には同じタイミングで派遣会社が派遣社員に同様の声かけをしている場合もあり得ますが、派遣会社から声をかけることと、派遣先から声をかけることは同じ内容であったとしても、立場の違いから派遣社員の受け取り方が異なる可能性があり、気にかけてくれている、と安心感を与えることができるメリットも想定できることから、そこまで気にする必要はありません。

とはいえ、派遣社員の気質によっては、派遣先と派遣会社から同じタイミングで同じことを質問されたと怪訝に思う可能性もあるため、事前に派遣会社と派遣社員をフォローする頻度について、すり合わせをしておくとよいでしょう。

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声かけ以外に派遣先ができるフォロー

派遣社員へのフォローと聞くと、「就業状況を確認する」「職場内で孤立しないよう、声をかける」「社内行事や懇親会に誘う」という行動がイメージしやすいですが、派遣社員は派遣会社の社員として、派遣先で業務を行うために出社しています。そのため、業務をスムーズに進めることができる環境を整えることも大事なフォローといえます。

業務上で必要なサポートを行うことは派遣先の役割ですが、派遣先として、派遣社員を受け入れる前の段階で、派遣社員が安心して業務に取り組めるよう受け入れ体制を整えておくことが重要です。派遣社員は直接雇用の社員とは異なり、派遣契約で定められた業務を担当するために就業します。

そのため、「期待通りに業務をこなせているか」「能力は足りているか」「次の契約更新は大丈夫だろうか」と周囲が感じている以上にプレッシャーを感じている場合があります。派遣社員は自身のスキルによって給与が決まることが多いため、業務を行う中で一定の緊張感が生じることはやむを得ないといえますが、過度なプレッシャーは逆効果になる可能性があるため、注意が必要です。

業務上のフォロー体制については、指揮命令者の役割が大切です。派遣契約の内容を理解し、契約内容の範囲内で業務指示を出すようにしましょう。また、業務経験を豊富に有する派遣社員であっても、就業開始から一定期間は派遣先独自の業務フローやシステムを覚えることが必要です。そのため、受け入れ体制については受け入れる派遣社員の経験値によって変更するのではなく、どのような経験を有する派遣社員であったとしても、対応できる想定で準備することが大切です。

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まとめ

派遣社員に対するフォローは、雇用主である派遣会社だけの役割と考えがちですが、業務内容や職場環境に関する部分は、派遣先が把握し、対応することが必要な場合があります。派遣社員が安心して就業できるよう、定期的な声かけだけでなく、業務量、指示の出し方、受け入れ体制などを整えておくことが大切です。

また、派遣社員へのフォローを派遣会社任せにしすぎると、認識の相違が生まれることやトラブルの発見が遅れることもあります。派遣先としてできる範囲を整理し、必要に応じてフォローを行うようにしましょう。